シリコーンゴムへのサラサラコートはベタベタしたタック感を解消します

サラサラコート

シリコーンゴムの特徴である ゴム表面のタック感(ベタベタ感)は滑り止めなどの機能として性能発揮しております。時にこのタック感が部品の組み立て時や触感として改善が求められる場合があります。この問題をシリコーンゴム表面に特殊塗料をスプレーコーティングすることにより、サラサラな風合いに仕上げる技術を開発しました。

現在、サラサラコートサンプルをご提供しております 

サラサラコートとは?

シリコーンゴム及び各種ゴム・ゴム製品は 「滑り止め」 に使われることが多く 「ゴム=滑らない」 というのが、基本的な特徴で一般的な認識かと思います。

その「滑らない」を「滑る」に変えるために、シリコーンゴム表面に摺動性をもたらすコーティングが「サラサラコーティング」になります。その名の通り 表面がサラサラです。

シリコーン系の塗料にフィラー(無機粉体添加物)を混ぜたものを シリコーンゴム表面にスプレー塗装して密着させることで得られる当社オリジナルの特別な商材となります。

サラサラコート構造図

サラサラコーティングが可能な形状

サイズ

サラサラコート対応サイズですが サラサラコートスプレー後の 強制乾燥オーブンの関係で 最大サイズは600mmX600mm までとなります。

形状

形状に関しては 図面を拝見してからの判断 となります。形状によりご対応の可否が分かれます。3次元形状で部分的なコーティング(マスキングが必要になる)を希望される場合 基本的にはお断りしております。ご了承ください。

紐長物

丸紐や角紐など長物ですが 作業がスプレー塗装するため 吹き付けた際の風で 紐状のワークが細かくなびいてしまい塗装ができません。長物で可能な形状としては唯一「チューブ形状」になります。内部にピアノ線などの芯を入れることで対応可能となります。

なお、チューブ形状の場合、外径表面へのコーティングは可能ですが内径部へのコーティングはできません。

シリコーンゴム以外のゴムにはサラサラコートできません

サラサラコーティングはシリコーン系の素材が塗料のベースとなっているため、シリコーンゴム専用の塗料です。他の合成ゴムへは密着しません ので、ご対応できません。

シリコーンゴムへは密着性・追従性も抜群で、伸ばしても塗膜の割れや剥がれは発生しません。フィラーが配合されている関係で、塗膜は若干曇りガラスのような白濁した艶消しイメージになります。

特に高透明シリコーンゴムや半透明色と呼ばれるシリコーンゴムはサラサラコーティングにより、透明感が失われてしまいますので、予めご了承ください。

サラサラコートの耐熱性能はフィラーの耐熱温度に起因するためシリコーンゴムよりも若干低下する150℃程度になります。高熱下で継続的に使用する場合は フィラーが若干黄変することがあります。但し、摺動性は不変です。

サラサラコート採用検討にあたっての課題

コスト

サラサラコーティングは試作など少量の場合、「塗料ロス」「段取り費用」等により割高になってしまうことがあります。時にはシリコーンゴム費用よりも コーティング費用の方が高くなる場合があります。サラサラコート付きの試作費は一式でのご案内になりますのでご了承ください。

また、量産時もサラサラコーティングの工程自体、工員が1個1個のスプレー塗装作業となるため工賃が割高になってしまいます。機械化ができず職人作業ですのでご了承ください。ご満足いただける摺動性と感触を得るための特殊な塗料配合です。材料費も割高要因の起因になってます。

弱点

シリコーンゴムと同様、サラサラコーティングは耐摩耗性が弱点と言えば弱点となります。コーティング箇所を何度も触れて擦ると、塗膜がペロリと剥がれることはありませんが、摩耗してしまい最終的にはゴムの素地が露出してしまいます。あくまで塗装ですので それはサラサラコート以外の塗装品と同じです

シリコーンゴムの特性であるガスバリア性能が劣る点も同様で、シリコーンゴムにサラサラコーティングを施しても、ガスバリア性能は向上しません。あくまでシリコーンゴム系の塗料ですので性能も同じです。

支給部材へのサラサラコーティング加工はお断りしています

お客様からの支給いただいたワークにコーティングのみを行うことはお請けしておりません。当社で成形をしたシリコーンゴム成形品にのみ、サラサラコーティング加工のご対応を行っておりますのでご了承願います。

万一支給品へのサラサラコートを受けた際に 「剥がれた」等のトラブルが発生した際、支給品のシリコーンゴムが原因の責なのか 当社のサラサラコートの責なのか 不明確になるため、品質管理面でお断りしております。 

但し、新規企画品へのステップとして既存品での出来映えを確認したい等の場合は、お気軽にご相談ください。味見程度の試作であれば、「有償」となりますがご対応可能な場合がございます。(用途と新規企画品について、差し支えない範囲でご質問させていただく場合がございます)

なお、試作時に生じた不具合やコーティングにご不満があった場合、保証等はできかねますのでご了承願います。

サラサラコーティングの採用実績

ゴムボタンへの印刷保護

シリコーンゴム製のゴムボタンにスクリーン印刷で加工された文字・数字・ロゴマーク等の摩耗による擦れの防止に有効です。

サラサラコート接点
天面サラサラコート
サラサラコートトップコート
左コート後/右コート前

シリコーン搬送治具と搬送品の固着防止

シリコーンゴムの弾性特性をいかしたクッション性のある搬送治具という物があるのですが、ゴムの滑らない特性から生じるワークとの固着や密着することによるつられが問題になるケースが散見されました。

このシリコーンゴム製搬送治具表面にサラサラコーティングを行うことで、ゴムのクッション性能はそのままに、ワークとの固着やつられが解消させることが可能です。

サラサラコートディスクマット
ディスクマット
サラサラコートシート
左コート前/右コート後

手触り感触でグレードアップ

 こちらは実際に触れていただかないとお伝えすることが難しいのですが、ゴム特有のタック感・べとつき感が解消され、肌触りの良いさらさらした風合いに変化します。

シリコーンゴム製ネックレス(美容・ボディケア用途)やシリコーン製アクセサリに採用いただくことがあります。また、他塗装品のトップコートにサラサラコーティングを採用するケースも多々ございます。(艶消しバージョンのみ)

サラサラコートチューブ
チューブ
サラサラコートグリップ
グリップ

運動パッキンの摩擦係数低減

 各種ゴムパッキンやガスケット等で装置内で運動する要素がある場合、相手物との間で摩擦が生じてスムーズに運動しない、擦れることが原因での異音がする等々の弊害への対策としてサラサラコーティングが採用されるケースもあります。

本コーティングの耐摩耗性能は高くはないので、運動の範囲・耐久はあまり大きくはないことからユーザー様にて評価は必要ですが、効果は絶大です。

サラサラコートパッキン
摺動性パッキン
サラサラコート
摺動性パッキン

ゴムパッキンの筐体への装着工率アップ

 防水・防塵パッキンを筐体ASSYする際、ただでさえ細い紐のようなパッキンを装着させるのは大変です。サラサラコーティングを施工したパッキンは、ゴムが滑りやすくなりますので装着が楽になります。ASSYコストの低減に有効です。

サラサラコートケースパッキン
ケースパッキン
サラサラコートOリング
Oリング

サラサラコートの環境資料の提供

SDS

対応可能です。採用後の対応となります。

Rohs2

対応可能です。採用後の対応となります。

食品衛生法

食品衛生法には適合しておりません。

サラサラコーティングの信頼性試験と品質管理

 サラサラコーティングは主に塗料の密着と摩耗を評価・試験と、目視による外観的な異常がないかを確認します。密着・摩耗に関しましては、下記の信頼性試験の判定基準がベースとなります。また、摺動性に関する官能検査を実施しています。

No

試験項目

試験条件

1 セロテープ剥離試験 ニチバンセロテープ24mm、垂直方向に瞬時
2 クロスカット剥離試験 1mm方眼、100目盛り
3 鉛筆硬度 三菱ユニ 荷重 1Kg 10mm×5本
4 ウエスによる乾拭き 荷重500g、1000往復
5 耐アルコール試験 荷重500g、500往復(エチルアルコール)
6 中性洗剤試験 荷重500g、1000往復+40℃×90%RH×24h
7 消しゴム摩耗試験 荷重500g、1000往復PILOT ER-F6T
8 耐熱試験 +85℃×72H ⇒ 1H常温放置
9 耐寒試験 -40℃×72H ⇒ 1H常温放置
10 -20℃×72H ⇒ 1H常温放置
11 耐湿試験 +40℃×90%×72H ⇒ 1H常温放置
12 耐湿試験(長期) +40℃×90%×240H ⇒ 1H常温放置
13 耐温耐湿試験 +60℃×90%×72H ⇒ 1H常温放置
14 温度ショック試験 -40℃×2H ⇒ +85℃×2Hの3サイクル
15 -20℃×2H ⇒ +85℃×2Hの3サイクル
16 温湿度サイクル 80℃×90%×4H ⇒ -40℃×4Hの3サイクル
17 塗装ラード試験 +80℃×48H ⇒ 1H常温放置
18 移行試験 +60℃×90%密封 ⇒ 荷重500g 24H
19 エチレン密封試験 +60℃ 密封 24H
20 アルコール浸漬試験 10分間浸漬
サラサラコート検査
検査風景
サラサラコートクロスカット
クロスカット検査

サラサラコーティングのよくある質問Q&A

シリコーンゴム以外のゴム素材にもコーティングできませんか?

シリコーン系の塗料であるが故にシリコーンゴム以外のゴム素材には不向きです。密着の程度及び乾燥温度でのゴムの耐熱性能上、シリコーンゴムのみとさせていただいております。 シリコーンゴム以外は、試作でもお断りさせていただいております。

シリコーンゴムであれば、全てのグレードに対応可能なのでしょうか?

基本、シリコーンゴムと呼ばれる素材であれば対応可能ですが(変成シリコーンを除く)、稀にシリコーンゴムの中でも相性が良くないケースもございますので、担当までご相談ください。

シリコーンスポンジにサラサラコートは塗布できますか?

シリコーンスポンジの場合、目に塗料が入り込んでしまうためコーティングには不向きですが、皮付きのスポンジ等、一部で対応可能な仕様・グレードもございます。詳細はご希望の仕様・グレードでの可否をTRYしてからの判断となりますので担当までご相談ください。

膜厚はどれぐらいですか?

本コーティングは基本手作業でスプレーで塗布する工程となりますので、膜厚については若干バラツキが生じます。20μ±10μとお考えください。摺動性についてはその範囲内であれば、ほぼ変化はございません。

耐熱性能はどれぐらいですか?

連続使用の場合、150℃程度になります。しかし、150℃以下でもフィラ-が熱で黄変してしまう関係で、高温環境下でのご使用の場合は若干変色してしまいます。基本、摺動性等の性能は不変です。

サラサラコーティング塗料に着色はできますか?

あいにくですが、サラサラコーティング塗料への着色はできません。着色したシリコーンゴム又は塗料等で加飾したシリコーンゴムの上から、サラサラコーティングを施工することは可能ですが、前述の通り表面が若干白濁した艶消しの出来映えになります。

サラサラコートを重ね塗りするとサラサラ感も増すのですか?

重ね塗りしてもサラサラ感は増しません。最適膜厚にてご提供しております。

お問い合わせ

現在、サラサラコートサンプルを提供しております。触ってみてサラサラ感を実感してみてください。下記のお問い合わせフォームから「お問い合わせ内容」に「サラサラコートサンプル希望」とお書きいただき「使用目的」もお書き添えください。(名刺サイズ1枚のみとなります)

サラサラコートサンプル

サラサラコートに関してのお問い合わせ

 

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