シリコーンゴムの耐油性・耐溶剤性・耐薬品性を他のゴムと比較

耐油性耐薬品性耐溶剤性

シリコーンゴムの耐油性・耐溶剤性・耐薬品性

シリコーンゴム耐薬品性

シリコーンゴムは、高温の環境下での耐油性に優れています。

有機系のゴムの中でも、特に耐油性に優れているニトリルゴムやクロロプレーンゴムと比較すると、100℃以下ではやや劣りますが100℃以上の温度では、これらよりも優れた耐油性を発揮します。

また、シリコーンゴムは、耐油性の他に耐薬品性、耐溶剤性に優れており、アニリン、アルコールなどの極性有機化合物や希酸、希アルカリなどにほとんど侵されず、膨潤による容積の増加は10~15%にとどまります。トルエン、ガソリン、ベンゼンなどの無極性有機化合物には膨潤しますが、一般の有機系ゴムとは異なり、材質の分解、溶解が無く溶剤が除去されれば、元の状態に戻ります。

強酸や強アルカリには侵されますので、これらの薬品と接触する場合は、分解する傾向があるので注意が必要です。溶剤類が、シリコーンゴムに与える影響は、膨潤、軟化、強度低下などになり、溶剤の種類によりその値は変化します。

  オイル・薬品の種類 浸漬条件(℃/h) 物性変化
硬さポイント 重量% 体積% 引っ張り強さ% 伸び%
オイル ASMT No.1 150/168 -10   +10 -10 -10
ASMT No.3 150/168 -25   +40 -20 -20
GM Hydramatic Fluld 94/70 -35   +35 -40 -5
Ford Brake Fluld 150/72 -20   +15 -60 -40
Diesel Fuel 50/168 -30   +105
Gasoline 23/168 -20   +165
Skydrol 500A Fluld 70/168 -5   +10 -10 +5
Motor Oil(SAE#30) 175/168 -8   -8 -70 -65
濃硝酸 25/168   +10 +10 -80 +30
7%硝酸 25/168   <1 <1 -50 -30
濃硫酸 25/168   分解 分解 分解 分解
10%硫酸 25/168   <1 <1 0 0
酢酸 25/168   +3 +4 -20 +10
5%酢酸 25/168   +2 +2 -20 +10
濃塩酸 25/168   +3 +4 -40 -20
10%塩酸 25/168   +2 +2 -50 -50
アルカリ 20%水酸化ナトリウム 25/168   -2 -1 -10 0
2%水酸化ナトリウム 25/168   <1 <1 0 0
濃アンモニア水 25/168   +2 +1 -30 +10
10%濃アンモニア水 25/168   +2 +2 -20 0
その他 25/168   <1 <1 0 0
100/70   <1 <1 -10 -10
70/168   +1 <1 -10 +10
3%過酸化水素水 25/168   <1 <1 0 +20
上記データは、耐薬品性、耐油性の大まかな耐性を示したもので、耐薬品性、耐油性を証するものではありません。オイルの種類は商品名になります。

シリコーンゴムと各種ゴムとの耐性比較

温度範囲と油に対する使用範囲

温度範囲と油に対する使用範囲

アニリンポイントとは、各種の油についてアニリンが均一に溶解した最低温度。アニリンポイントが低い油ほど潤滑性が大きいことを示します。

溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とゴムの膨潤度関係図

溶剤の溶解度パラメータとゴムの膨潤度関係図

フロロシリコーンゴムは特に優れた耐溶剤性を備えていますがシリコーンゴムも他のゴムと比較して良好な耐性を示します。

各種ゴムの各種液体による体積変化率(168時間浸漬後)

液体の種類 温度(℃) NBR CR N SBR IIR SIR CSM
28% 33% 38%
ガソリン 50 15 10 6 55 250 140 240 260 85
ASTM#1オイル 50 -1 -1.5 -2 5 60 12 20 4 4
ASTM#3オイル 50 10 3 0.5 65 200 130 120 40 65
ディーゼルオイル 50 20 12 5 70 250 150 250 150 120
オリーブオイル 50 -2 -2 -2 27 100 50 10 4 40
ラード 50 0.5 1 1.5 30 110 50 10 4 45
ホルムアルデヒド 50 10 10 10 25 6 7 0.5 1 1.2
エタノール 50 20 20 18 7 3 -5 2 15 5
グリコール 50 0.5 0.5 0.5 2 0.5 0.5 -0.2 1 0.5
エチルエーテル 50 50 30 20 95 170 135 90 270 85
メチルエチレンケトン 50 250 250 250 150 85 80 15 150 150
トリクロロエチレン 50 290 230 230 380 420 400 300 300 600
四塩化炭素 50 110 75 55 330 420 400 275 300 350
ベンゼン 50 250 200 160 300 350 350 150 240 430
アニリン 50 360 380 420 125 15 30 10 7 70
フェノール 50 450 470 510 85 35 60 3 10 80
シクロヘキサノール 50 50 40 25 40 55 35 7 25 20
蒸溜水 100 10 11 12 12 10 2.5 5 2 4
海水 50 2 3 3 5 2 7 0.5 0.5 0.5

※信越シリコーン社「シリコーンゴムの特性」より引用

 

お問い合わせ

お問い合わせはこちら

 

関連記事

シリコーンゴムは有機合成ゴムに比べ、特に耐熱性、耐寒性にすぐれ、更に耐候性、熱伝導性、電気特性、反発性等がはるかに優れています。特に耐候性に関しては、耐候性試験を10年以上続けても劣化がほとんどなく、試験結果より推定すると100年程度でもゴ[…]

シリコーンゴムの種類
おすすめ記事

私たちの会社では、シリコーンゴム製品の可能性を追求しています。 シリコーンゴム優れた特徴として 高度な耐久性・耐熱性・対オゾン性を持ち合わせます。更に電気特性・非粘着性にも優れ、精密電子機器部品、自動車関連部品・医療関連機器・食品関連[…]

シリコーンゴムの技術
おすすめ記事

「品質は良くて当たり前」顧客からはそう言われていますし、当社もそう認識しており品質維持は最優先に取り組んでおります。 当社はシリコーンゴムの持つ特性をよく理解しているからこそ、モノ造りの課程で生じる障害や難題を最短で解決することができ[…]

シリコーンゴムの品質特性