抗菌剤入りシリコーンゴムで安心安全を製作します

抗菌剤入りシリコーンゴムで安心安全を製作します

長期間、菌を増殖させない抗菌効果を持つシリコーンゴム素材を使用した抗菌加工製品。シリコーンゴムの特性を変化させることなく、抗菌性が得られます。抗菌剤は無機系のため、シリコーンゴムの耐熱性にも影響は与えません。

抗菌加工製品のメリット

 

細菌による人体等への悪影響は、細菌が大量に増殖した際に生じることが多いため細菌の増殖を抑えることが、人体等への影響を小さくさせる一つの手段として考えられています。

抗菌効果

生残菌数の測定結果

抗菌剤無配合一般シリコーンゴムシート 抗菌剤を配合した抗菌性シリコーンゴムシート
生残菌数 940,000個 0個

測定方法

2mmX50mmX50mmの抗菌剤を配合したシリコーンゴムシートと無配合のシリコーンゴムシートを50℃で2時間温水処理後、大腸菌懸濁液(およそ100,000個/ml)を1ml滴下し、37℃で24時間培養。その後、滅菌済リン酸緩衝液にて菌を洗い出し、測定用培地を用いてこの液中の生残菌数を菌数平板希釈法により測定。

ゴムシート試験片

プレス170℃X10分、ポストキュア(2次加硫)200℃X4時間 の成形条件にて作成。

備考

対象をシリコーンゴムシートとした場合での測定結果の一例ですので、抗菌加工製品の形状や性質、使用環境等によって、抗菌剤の添加量の調整を行う場合があります。

推奨される用途

食品用などに使用されるシリコーンゴム成形品

抗菌剤入りシリコーンゴム シリコーンゴム抗菌剤
  • 食品容器、スチーマー
  • シリコンコップ
  • 菓子製作用シリコーン製の型
    など

不特定多数が触れるボタン・装置類のシリコーンゴム製カバー

抗菌シリコーンカバー 抗菌シリコーンボタン
  • TV
  • エアコン等のリモコンカバー
  • スーパー・ホームセンターで使用するカートのグリップ
    など

キッチン・バス・トイレ等の水回りで使用するシリコーンゴム成形品

抗菌入りシリコーンゴム 抗菌マット
  • 滑り止めマット
  • シンクストレーナー
  • 排水口キャップ
    など

抗菌効果を持続させるには

  1. 抗菌加工製品といえども、不潔にしていたり汚れてしまっていれば十分な抗菌効果は発揮されず、細菌は増殖してしまう可能性があります。抗菌加工製品であっても、常に清潔な状態を保つ必要があります。
  2. 抗菌加工製品は表面の細菌の増殖を抑えるだけであって、細菌を死滅させるものではありません。従って、人体の皮膚等の常在菌への作用はほとんどなく、自然界の微生物に影響を与えることもありません。

シリコーンゴム素材の抗菌加工製品の制約

色調の制限
抗菌剤を添加することにより、シリコーンゴムの特徴でもある着色で色調の制限が生じる可能性があります。色調の指定をされる際、できる限り色調の調整はいたしますが色見本に対して完全一致ができない場合がありますので予めご了承願います。また、高透明シリコーンゴムを含めたクリア感のある色調は抗菌剤の添加によりクリア感が失われます。

硬度の制限
添加した抗菌剤がシリコーンゴム材料全体に行き渡らせる必要があるため、硬度はA30~A70の範囲内と制限させていただきます。

抗菌剤入りシリコーンゴムQ&A

抗菌と滅菌、殺菌、除菌等に違いがあるのですか?

抗菌 製品(抗菌加工品)の表面上で細菌が増殖しないように抑えること日本国内では対象を細菌のみとしているため、抗菌加工製品では「カビ」「黒ずみ」「ヌメリ」は効果の対象外とされる。
消毒 細菌がその対象物に使用、存在していても害のない程度まで減らすこと。殺菌せずに病原性を消失させることにより消毒が達成されることもあるので、滅菌や殺菌とは意味が異なります。
除菌 表面上の細菌を物理的に減らすことを意味します。洗剤等の雑貨にも「除菌」という言葉が使用可能です。
殺菌 細菌を死滅させる意味ではありますが、菌の種類や死滅させる程度に定義はありません。消毒同様に医薬品・医薬部外品にのみ、「殺菌」という言葉が使用でき、洗剤等の雑貨には使用できません。
滅菌 対象物に存在している細菌・ウイルスを完全に死滅させること(菌の生存確率100万分の1以下・・・日本薬局方の定義)
医療分野や細胞レベル以下を扱う実験生物学分野等で行われ、一般的な日常生活レベルで行われることはありません。

抗菌剤入りシリコーンゴムはどんな形状でも製作できますか?

一般シリコーンゴムで製作可能な形状であれば対応可能です。既存の金型でゴムシートを成形し、抜き型で加工するレベルでしたら型代はさほど掛かりませんが、3次元形状の場合は金型が必要になるため、金型代としての初期費用が必要となります。なお、押出成形は当該材ではご対応しておりません。

抗菌剤の投入量はリクエストできますか?

あいにくですが、できません。
抗菌剤の量が多すぎるとゴムとして硬化が不十分になってしまいますし、抗菌剤の量が少ないとご紹介した抗菌効果が得られないことになってしまいますので、予め決められた量の抗菌剤を投入することになります。

抗菌剤の環境資料は提供可能ですか?

A抗菌剤のSDS及びシリコーンゴムのSDSと素材単位でのご提供は可能です。抗菌加工製品としては、ROHS2不使用証明書、食品衛生法適合証明書(有償にて)のご提供が可能です。

お問い合わせ

抗菌剤入りシリコーンゴムに関してのお問い合わせ

 

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