オイルブリードシリコーンゴムを使ったOリングやパッキンを成形します

オイルブリードシリコーンゴム

オイルブリードタイプのシリコーンゴムは その目的としてグロメット、ガスケット、コネクターシールなどの構成部品の組み立て、挿抜きの作業をスムーズに行う意図として開発された材料です。

オイルブリードシリコーンゴムとは?

シリコーンゴムコンパウンド内に非相容性のオイルを添加することで、成形後の時間の経過と共にシリコーンゴム表面にオイルが微量ずつ滲み出てくるグレードで、各種コネクタのシール部品に多く採用されています。

表面に滲み出たオイルの効果で自己潤滑性が非常に高いことから摩擦を低減できるため、シール部品の挿抜時の挿抜力の軽減に有効で、この効果は長期間に渡って安定的に発揮いたします。

オイルブリードシリコーンゴム オイルブリードシリコーンゴム

オイルブリードシリコーンゴムと一般シリコーンゴムの常態物性比較

    オイルブリード
シリコーンゴム
一般
シリコーンゴム
オイル含有レベル 5wt% 3wt%
30° 硬度 A 30°   30°
色調   半透明乳白色 半透明乳白色 半透明乳白色
密度 g/cm3 1.12   1.11
引張強度 MPa 8.1   7.6
切断時伸び 600   740
引裂強度(アングル形) N/mm 17   17
圧縮永久歪み(180℃X22h) 28   41
当社常時在庫 ※4    
材料価格(一般材を1) 倍数 3   1
40° 硬度 A 40°   40°
色調   半透明乳白色 半透明乳白色 半透明乳白色
密度 g/cm3 1.17   1.14
引張強度 MPa 8.6   8.7
切断時伸び 480   580
引裂強度(アングル形) N/mm 17   22
圧縮永久歪み(180℃X22h) 22   32
当社常時在庫 ※    
材料価格(一般材を1) 倍数 3   1
50° 硬度 A 50°   51°
色調   半透明乳白色 半透明乳白色 半透明乳白色
密度 g/cm3 1.18   1.16
引張強度 MPa 8.3   8.7
切断時伸び 380   390
引裂強度(アングル形) N/mm 19   24
圧縮永久歪み(180℃X22h) 27   19
当社常時在庫 ※    
材料価格(一般材を1) 倍数 3   1
60°
※1
硬度 A 60° ラインナップ無 61°
色調   灰白色 灰白色
密度 g/cm3 1.2 1.24
引張強度 MPa 8.7 7.3
切断時伸び 330 280
引裂強度(アングル形) N/mm 7 17
圧縮永久歪み(180℃X22h) 7 21
当社常時在庫 ※   ×
材料価格(一般材を1) 倍数 5 1
70° 硬度 A 70° ラインナップ無 70°
色調     灰白色
密度 g/cm3   1.34
引張強度 MPa   5.5
切断時伸び   330
引裂強度(アングル形) N/mm   16
圧縮永久歪み(180℃X22h)   26
当社常時在庫 ※    
材料価格(一般材を1) 倍数 5 1
  • 本データは代表値であり、規格値・保証値ではありません。
  • ※ 当社常時在庫「×」の規格に関しては、特注でのご対応となりますので、当該材料20kgを償却いただく必要と材料入手のリードタイムが通常で1~3ヶ月程度要します。詳細は当社担当までお問い合わせください。
  • 60°のオイル含有量は6~8wt%になります(※1)

【カスタム対応】オイルブリードシリコーンゴムシート

当社では 30°40°50°の硬度で3タイプをご用意してます。
オイル含有量は 5wt%品のみ となります。
60°以上の硬度は流動性も少なく 入手に納期もかかることからラインナップしてません。

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硬度 ゴムシートサイズ 最小厚mm
(公差)
最大厚mm
(公差)
厚み刻み
(mm)
表面 色調
30° 300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 通常みがき 弁柄色
(レンガ色)
300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 通常みがき
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 鏡面加工
450X450 1.0
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
500X500 1.0
(±0.2)
3.0
(±0.3)
0.5 ブラスト調
40° 300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 通常みがき 弁柄色
(レンガ色)
300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 通常みがき
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 鏡面加工
450X450 1.0
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
500X500 1.0
(±0.2)
3.0
(±0.3)
0.5 ブラスト調
50° 300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 通常みがき 弁柄色
(レンガ色)
300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 通常みがき
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 鏡面加工
450X450 1.0
(±0.15)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
500X500 1.0
(±0.2)
3.0
(±0.3)
0.5 ブラスト調

オイルブリードシリコーンゴムの使用例

コネクターシール部品

オイルブリードシリコーンゴムで圧倒的に使用頻度が高いアイテムはコネクタの防水シール部品で、昨今コネクタメーカー各社で採用され、様々な形状のコネクタに使われています。

特に端子の細いコネクタや微少コネクタと呼ばれる商品へは、装着の容易さ・端子やケースの保護(破損・変形防止)のためにシール部品はオイルブリードシリコーンゴム製であることが必須事項となっているようです。

オイルブリードシリコーンゴムワイヤーシール
ワイヤーシール系
オイルブリードシリコーンゴムハウジング
ハウジング系

異形パッキン(Oリング)

昨今の市場からの要求で防水性能をUPさせる必要が見受けられます。防水性能向上のためにパッキン形状が、より複雑になっている傾向もあり、筐体へのASSYも難しくなる傾向のようですが、オイルブリードシリコーンゴムを使用すればパッキンと筐体との摩擦を抑えられるため、挿入がスムーズになりASSY時のストレスが解消されます。

オイルブリードシリコーンゴムパッキン
オイルブリードパッキン
オイルブリードシリコーンゴムパッキン
オイルブリードパッキン

オイルブリードシリコーンゴム使用時の特徴と問題点

オイルがブリードを始める時期

5wt%含有材と3wt%含有材では、ゴム表面へのオイルがブリードする時期が異なります。

5wt%(6~8wt%)含有材
金型での成形後、2~3日程度でオイルがブリードしますので、当社での生産後に納品時点でオイルのブリードが確認できます。
3wt%含有材
金型での成形後、オイルのブリードが確認できるまで1週間程度要します。よって、納品後にオイルブリード品としての効果を発揮するまでにタイムラグが発生する可能性が生じます。

硬度による材料入手性について

市場では硬度30~50°の中低硬度品は多いのですが、硬度60°以上の高硬度品については、種類も流通量も少ないことから材料入手に6ヶ月前後要する場合がございます。

なお、硬度80°以上のオイルブリードシリコーンは当社での取扱はございません。

ブリードするオイルが近くのものを汚染する

オイルを放出するという特性から オイルによる汚染が問題になる場合がございます。手にはもちろん紙や布などには染み付いてしまいますので注意が必要です。精密部品を取り扱う現場では 染み出たオイルで他の部品を汚してしまうことがありますので取り扱いには細心の注意をしてください。

保管の際はビニール袋などに入れて、周りにオイルが付着しないようにしてください。付着したオイルは中性洗剤などで油分を除去することが可能です。

オイルブリードシリコーンゴムの よくある質問Q&A

なぜ、硬度80°以上の高硬度のオイルブリード材がほしいのですか。

生憎ですが、硬度80°以上はご対応いたしておりません。一般論ではありますが、シリコーンゴムの硬度を調整するためにシリカやオイルの配合量を調整して行います。オイルの配合量を多くするとゴムを軟化させる効果があるため、結果的にゴム硬度は低い方向になります。オイルブリードシリコーンゴムは他のグレードのシリコーンゴムと比較すると、オイルの含有量が多量であることから高硬度のオイルブリードシリコーンゴムは製作困難なため、当社では製作不可となります。

オイルの含有量を意図的に増やしたり、減らしたりすることは可能でしょうか?

ラインナップ上の5wt%、3wt%以外でのオイル量の増減はご対応いたしておりません。オイルがブリードしてくる時期が、数週間~数ヶ月後になってしまう可能性があり、事実上コントロールができません。

オイルブリードシリコーンゴムの電気特性は?

一般シリコーンゴムと比較すると体積抵抗率は若干低いですが、それでも3x10の14乗Ω・cmはありますので絶縁体となり通電はいたしません。しかし、オイル自体が吸湿水分の影響を受けやすいため、水分管理には注意が必要となり含水率が高くなると体積抵抗率は低くなる傾向が生じます。

ブリードされるオイルはいつまで出続けるのでしょうか?

何年、何十年出続けるかは、シリコーンゴムメーカーでも検証した事が無いので分かりません。装着した使用条件で大きく違いがあります。封止した状態で数年経過しても表面にオイルが付着している事は確認されております。

ブリードするオイルはそのままですとオイル漬けになるくらいまで出るのか?

オイル漬けになるかは、添加量の問題と、使用条件や保管条件で全く違います。製品をビニール袋に入れた状態で数年や数ヶ月放置した場合は、まれにオイル漬けになっている事が有りますが、Oリング等の製品の場合、封止した状態で使用する為オイル漬けになる事は有りません。

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