耐スチーム性シリコーンゴムで蒸気耐性に特化した成形品を製造します

耐スチーム性シリコーンゴム

一般的なシリコーンゴムは 高圧スチームのもとでは徐々にシロキサン結合が加水分解して ゴムの寿命を短くしてしまう現象がおきます。その特性を補うために生ゴム・加硫剤の選択、充填剤の表面処理などを改良し、高圧スチームに対応した特殊グレードの紹介になります。

耐スチーム性シリコーンゴムタイプとは?

一般的なシリコーンゴムは、長期間水中に浸漬しても吸水率は1%程度なので、機械強度、電気特性への影響はほとんどなく、また常圧(大気圧)下であれば、スチームにも接触しても著しい劣化は生じません。

しかし、蒸気温度概ね150℃以上(およそ0.5Mpa以上)の標準気圧よりも加圧されたスチームに接触すると、加水分解等によりシロキサンポリマーが切断され、ゴム物性が低下してしまう現象が発生します。これらの現象を回避させる耐スチーム性、耐熱水性を向上させたグレードが耐スチーム性シリコーンゴムとなります。

耐スチーム性シリコーンゴムと一般シリコーンゴムの常態物性比較

  単位 耐スチーム性
シリコーンゴム
一般
シリコーンゴム
50° 硬度 A 55° 51°
色調   淡黄色 半透明乳白色
密度 g/cm3 1.14 1.16
引張強度 MPa 9.5 8.7
切断時伸び 410 390
引裂強度(クレセント形) N/mm 12 7
圧縮永久歪み(180℃X22h) 9 19
当社常時在庫 ※   ×
材料価格比較  倍数 3 1
60° 硬度 A 61° 61°
色調   淡黄色 灰白色
密度 g/cm3 1.15 1.24
引張強度 MPa 9.1 7.3
切断時伸び 330 280
引裂強度(クレセント形) N/mm 11 7
圧縮永久歪み(180℃X22h) 9 21
当社常時在庫 ※  
材料価格比較  倍数 3 1
70° 硬度 A 72° 70°
色調   淡黄色 灰白色
密度 g/cm3 1.21 1.34
引張強度 MPa 8.8 5.5
切断時伸び 300 330
引裂強度(クレセント形) N/mm 15 11
圧縮永久歪み(180℃X22h) 10 26
当社常時在庫 ※  
材料価格比較  倍数 3 1
  • 本データは代表値であり、規格値・保証値ではありません。
  • ※ 当社常時在庫「×」の規格に関しては、特注でのご対応となりますので、当該材料20kgを償却いただく必要と材料入手のリードタイムが通常で1~3ヶ月程度要します。詳細は当社担当までお問い合わせください。

カスタム対応】耐スチーム性シリコーンゴムシート

常圧下の熱水蒸気には、耐性をみせるシリコーンゴムも高圧下の熱水蒸気(高圧スチーム)には弱く、加水分解が進みゴム物性が低下しますが、この弱性を補ったものが、耐スチーム性タイプで、高温のスチームに触れる、魔法瓶、電子ジャー、湯沸しポットのパッキン等に好適です。

当社では 50°60°の硬度で2タイプの耐スチーム性シリコーンゴムを用意してます。

硬度 ゴムシートサイズ 最小厚mm
(公差)
最大厚mm
(公差)
厚み刻み
(mm)
表面

色調

50° 300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 通常みがき

黒色

レンガ色

300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 通常みがき
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 鏡面加工
450X450 1.0
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
500X500 1.0
(±0.1)
3.0
(±0.2)
0.5 ブラスト調
60° 300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 通常みがき

黒色

レンガ色

300X300 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.1 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 通常みがき
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
280X380 0.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 鏡面加工
450X450 1.5
(±0.1)
10.0
(±0.5)
0.5 ブラスト調
500X500 1.5
(±0.1)
3.0
(±0.2)
0.5 ブラスト調
当社運営の 楽天市場 では販売してません。ご希望のサイズとロットをご確認のうえ メール・電話・FAXにて直接お問い合わせください。

耐スチーム性シリコーンゴムと一般シリコーンゴムと性能比較

流動スチーム0.64Mpaの経時による物性変化グラフ一般シリコーンゴムと比較して、ゴム物性の劣化度合いに著しく差が生じていることがわかります。

引っ張り強さの変化

耐スチーム性シリコーンゴム引っ張り強度

伸び変化

耐スチーム性シリコーンゴム伸び変化

硬さの変化

耐スチーム性シリコーンゴム硬さの変化

耐スチームシリコーンゴムの使用例

高圧スチームを発生させる電機製品のゴム部品

電子ジャー・ポット・加湿器等、高圧スチームを発生させる機器に使用するパッキンや高圧洗浄機等のパッキン、ノズル口等

耐スチーム性シリコーンゴムスチーマーパッキン
スチーマーパッキン
耐スチーム性シリコーンゴム高圧スチームパッキン
高圧スチームパッキン

医療機器関連・食品製造装置関連のゴム部品

滅菌処理(オートクレーブ)・機器の洗浄のためにスチーム洗浄を行う機会のある機器のパッキン、先端ノズル等のゴム部品。高温蒸気を使用する加圧蒸煮調理機器等のパッキン、ガスケット等のゴム部品

耐スチーム性シリコーンゴムスチーム滅菌対応
スチーム滅菌洗浄対応
耐スチーム性シリコーンゴム電子レンジパッキン
業務用電子レンジパッキン

 耐スチーム性シリコーンゴム使用時の注意点

1.耐熱性と耐スチーム性(耐熱水性)の違い

ゴムは耐熱性能と耐スチーム(耐熱水)性能の評価は異なり、耐熱性に優れたゴム素材でもスチーム(熱水)用に使用すると、ゴムが劣化してしまいます。

耐スチーム性能で比較的一般的なゴム素材はEPDMゴムや特殊フッ素ゴム(パーフロロゴム等)と言われていますが、耐熱性の問題や医療・食品向けの安全性に適していなかったり、材料価格が数十万円になるほどの高価な素材であったりするため、昨今、耐スチーム性シリコーンゴムを採用されるケースが増えているようです。

2.他グレード材、異硬度材とのブレンド不可

おおよそですが、耐スチーム性シリコーンゴムは汎用グレードの一般シリコーンゴムに対して、3~4倍の材料価格となります。

コストを抑えるために、耐スチーム性シリコーンゴムと一般シリコーンゴムをブレンドして中間の性能を持つゴム材料や硬度調整のため、他の硬度のシリコーンゴムをブレンドする等は耐スチーム性能への懸念からご対応しておりません。

耐スチーム性シリコーンゴムのよくある質問Q&A

耐スチームシリコーンゴムの他に、耐スチーム性能を持つゴム材について教えてください

一般的なゴムの耐スチーム性能は下記を参照ください
耐熱安全温度 耐スチーム性能 材料価格
耐スチーム性シリコーンゴム 200℃
一般シリコーンゴム 200℃ ×
NBRゴム 100℃
EPDMゴム 130℃
ウレタンゴム 80℃ × やや高
フッ素ゴム 230℃
特殊フッ素ゴム(パーフロロゴム) 250℃ 超高額

表記内容は一般論及び目安になります。
◎ 使用可能  ○ 一部の条件を除き使用可  △ 一部の条件のみ使用可  × 使用不可

スチーム(蒸気)が発生する箇所で使いたいが耐スチーム性シリコーンゴム使用は必須か?

安全安心を優先させますと 耐スチーム性シリコーンゴムを推奨しています。しかしコスト面では非常に高額になってしまうため採用前の検証をお勧めします。オーバースペックになっている可能性がございます。まずは一般シリコーンゴムで耐久性を検証してから採用を検討してください。

スチーム(蒸気)で劣化すると一般のシリコーンゴムはどうなるのか?

加水分解を起こし 硬度低下しシリコーンゴムの特徴・特性である 引っ張ったり、伸ばしたりするゴム感がなくなってしまいます。耐スチーム性シリコーンゴムはその劣化スピードを著しく遅らせる性能を持っています。但し、スピードの差はありますが劣化はしてますので認識は必要です。

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