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ゴムの耐寒性

ゴムの特性として、弾性を有することが一番の特徴と言うことが出来ると
思いますが、低温の環境下にさらされる事により、その弾性は、次第に硬く
変化する傾向にあります。

つまり、ゴムの耐寒性と言う場合、その弾性が硬化することによりゴムの一番
の特性と言える、弾性が失われてしまう事が、物性変化の代表的なものですが
大きく3つに分類して考えることが出来ます。

     1.ゴムの硬化による、硬度の変化
     2.ガラス転移点(Tg)での、脆化(ぜい化)
     3.ゴムの結晶化による硬化


ゴムはガラス転移点(Tg)以下では、ガラス状に変化しゴムとしての特性を失う事
になります。シリコーン(Q)やブタジエンゴム(BR)等はこのガラス点移転が低く、
耐寒性に優れていると言えます。

ゴムの分子が低温領域でどれだけ自由に動けるかによって、耐寒性の値が決まっ
てきます。 分子構造の凝集力が強く、極性が大きいゴムほど、ゴム分子の運動性
が悪く、柔軟性が損なわれ、耐寒性の低いゴムと言えます。

また、上記だけでは計れないものもあり、分子に分岐があると、分子が動き難く
柔軟性が劣ります。ブチルゴム(IIR)等がそうであり、SP値のわりに、Tgが高く、
ブタジエンゴム(BR)は反対に、分子に分岐をもたない為、SP値のわりにTgが
低くなっています。

上記同様、例外的に結晶性のある、クロロプレンゴム(CR)、や天然ゴム(NR)は
低温領域でTgが低いわりに、分子の柔軟性がありません。

■一般的ゴムの耐寒温度
ゴムの種類 略号 耐寒限界温度 
(℃)
シリコーンゴム VMQ −50 〜 −90
クロロプレーンゴム CR −30 〜 −50
ニトリルゴム NBR −30 〜 −50
水素化ニトリルゴム HNBR −10 〜 −30
ブチルゴム IIR −30 〜 −50
エチレンプロピレンゴム EPDM −40 〜 −60
アクリルゴム ACM 0 〜 −20
ウレタンゴム −20 〜 −40
フッ素ゴム FKM −10 〜 −30
天然ゴム NR −30 〜 −50
*Tg(ガラス転移点)・・・個体の非結晶部分は温度が低いと分子運動性が低くこれをガラス
               状態と呼び、温度が上がると運動性が大きくなる。その境界点を指す。
*SP値・・・ゴムの膨潤性を推測する時に用いる。ゴムの極性を表す溶解度のパラメーター

※一般的な数値のため弊社が取り扱わない商品もあります。



耐寒、耐熱性に関しては、他種類のゴムの追従を許さない、シリコーンゴム。
コスト的なデメリットにより、以前は他の素材で製造されているパーツも見直し
をかけて見るのも、良いのではないでしょうか?

昨今の石油価格の高騰による、合成ゴムの値上げも留まる事を知らない状況
の中、シリコーンの価格は以前のシリコーン=高値というイメージがまだ根強い
ですが、合成ゴムとの価格差は、肩を並べつつあり、この特性を生かした素材の
選択の見直しをかけるいい機会ではないでしょうか。


2007年12月更新
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