製品をグレー材で成型して初回成型での金型異常を確認する

<グレー材検査とは?>


何故グレー材検査をするのか?

取り扱い製品には0.15tといった極薄ラバーシートやキートップ体裁面にシルク印刷を施す接点ゴム等(コンタクトラバー)の外観パーツといった製品群があります。

これらの製造時に極めて小さなピンホールといえども、発生させてしまった場合、極薄シートであれば切れ、裂け等を誘発する重大不良の原因となります。

シルク印刷を施す接点ゴム(コンタクトラバー)であれば印刷面にピンホールが存在することによりその部位にはインクがのらず、印刷不良が生じる原因となってしまいます。


◆透明材での異常検出は困難?
極薄シート製品やコンタクトラバー等に限らず色付きの素材であるならば金型に原因のあるキズ、ピンホールなどは目視検査にて確認することは容易なのですが、これがひとたび、無着色の透明素材となると成形時点での目視検査では検出は難しくなってしまいます。

不具合箇所を見落としてしまう可能性は一気に増大してしまいます。金型キャビティーに付着した微細な異物はことのほか発見することが困難なので、いかに早くこれに気づき手当てができるかが被害を最小限でくいとめるポイントとなります。

<透明材とグレー材の比較> <透明材とグレー材の比較>
透明材とグレー材の比較 透明材とグレー材の比較

※透明材では、見づらかった表面状態もグレー材にすることにより見やすくなる。

◆グレー材による定期検査
当社では、1ロット毎にグレー色の材料を用いて1ショット成形を行い、このグレー材成形品の目視検査を実施しています。

原則的に、1ロットが1勤単位ですので、1勤作業終了時にこのグレー材成形品を作成し、次に引き継ぐ作業者が稼働開始前にグレー材成形品を点検をすることで、金型に新たなキズの発生や異物の付着等の異常がないか確認してから作業にはいります。


◆金型異常が合った場合
金型の点検、異物の除去を実施。前ロットは全数検査対象となり選別作業により次工程に流す前に不具合品を全て除去してしまいます。

また、このグレー材は一定期間の保管を義務付けることにより、万一、見逃し等によって金型が異常な状態のまま生産が進んでしまった場合においても、不具合発見時に保管してあるグレー材の再検査により製造ロット単位で容易にトレースすることが可能です。

再検査対象ロットを絞り込むことがより早く、確実に出来るため、不具合品の客先流出防止に貢献することとなります。
<透明材(左)で見た時の異常と、グレー材(右)で見た時の異常>
透明材とグレー材の比較

◆端材の有効活用

ここで使用するグレー色の材料は、当社では端材を用いています。

端材とは、材料ロット毎に必ず生じてしまう、製造に適さない半端な材料で、通常ですと同規格の材料を
一定量集め、それを再度練り返して使用するのですが、透明タイプの材料の端材は、再度練り返して使用してしまうと、その材料を使用した生産ロットは繊毛等の異物混入による不良率を上げてしまうことは否定できません。

当社ではこれをあえて使用せずこのグレー材の原料として再利用することにより無駄を無くし
本当の意味で、100%材料を使い切るという事においてトータル的なコストダウンを目指しています。




《グレー材活用実例》

薄物のシリコーンゴムシートを検査中に、キャビティーナンバー5でラバー表面にキズがあるのを発見した。その該当するロットの同一キャビティー内を確認した所、同じ箇所に同形状のキズがあるのが確認できた。

そのロットは検査実施日の前日の夜勤に成形したロットであったが、引き続き当日も生産を行っているので、その場で成形を一旦中断し、製品のキズが発生している箇所の金型をチェックした。

すると同一箇所に異物の付着を発見。その付着した異物が悪さをして、製品にキズを発生させていたのであった。

この時点で当日成形中のロット、前日夜勤のロットは同一不具合現象が発生していることが認識できるが、ここで、過去のグレー材品をさかのぼってチェックすることにより、いつからこの不具合現象が生じているのかの調査を開始した。

前日の日勤時に作成したグレー材には本現象は確認できなかったため、その結果、前日の夜勤の途中から当日日勤の処置を行った時点までのロットが異常であると判断することができ、該当する2ロットを再検査することで、以降の工程に流出することを阻止することができた。




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